はんのこぶろぐ

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鋼殻のレギオスが終わって

鋼殻のレギオス最新24巻読みました。

今巻で本編終了だそうで。雨木シュウスケ先生お疲れ様でした。残りの25巻も楽しみにしてます。
 
知り合いでレギオス読んでるって人見たことないので大丈夫とは思いますが、ネタバレ感想記事ですので未読の方はご注意ください。
 

 

 
という訳で本編、レジェンド、聖戦の三つの物語が集結し、全てに決着が付きました。
かなりじっくりやったレヴァンティン戦と比べて、ラスボスであるディック戦が随分あっさり終わっちゃった感がありましたが、レイフォンの物語を終わらせるのに必要な描写はひと通りあったから良かったのかな。
しかしイグナシスの末路がマジでアイレインの一言で片付いちゃうとは……聖戦で既に描写されてたとはいえ、もう一捻りあると思ってました。
 
とりあえず終盤の「十七小隊にこだわる」展開はとても好きです。こだわりつつも必要であれば外に助けを求めたりもしつつ。
シャーニッドとハーレイにもきちんと活躍の場が与えられて良かった。終盤の数巻では多くの学園側の登場人物が置いてきぼりにされず、何らかの役割が与えられていたと思います。天剣授受者の戦いばっかりになると思ってたから予想外。登場人物の扱い方が、素直に巧いと思いました。
 
バトルものでありがちな戦闘力のインフレの抑え方も独特でした。主人公補正ドーピング的な成長はニーナに任せ、初期から超天才で超強いレイフォンの成長をほどほどにしておくことで、ある種バランスが取れていたんだと思います。
 
最後はレイフォンとフェリ先輩がくっついてやっほーい! 決戦直前までレイフォンの気持ちを必死に確かめようとしたり、決戦後健気にレイフォンを待ち続けたり。ヒロイン力を遺憾なく発揮した後での、遠回しな駆け落ちをレイフォンに持ちかけられるシーンでの、「はい」→ぎゅー、の展開は最高でしたね。素直な先輩がこんなにも可愛いとは。
 
レイフォンが連れてきた二人は新たに発生した問題に巻き込まれているようですが、それについて鋼殻のレギオスとして語られることはないのでしょうね。綺麗に終わってますしね。
ただ、随分多くの謎を残している気がします。
 
・エルミは最終決戦でどうしてたのか
・アイレインとサヤとニルフィリアはどうなったのか
・ニーナに憑いた電子精霊達はどうなったのか
 
ここらへんはさすがに25巻で語られますかね。
 
・シュナイバルとツェルニの対峙はどうなったのか
結果オーライで何ともない気もしますが。
 
・聖戦の一巻で出たジャニスは何だったのか
ディックが食べちゃったアレです。ソーホ涙目。きちんと読めば分かる謎なのかしら。
 
・狼面衆ってどうなったっけ?
これは俺がちゃんと読めてないだけか……?
 
他にもあった気がするんですが忘れちった。
 
単行本で追って読んでると時系列がバラバラで訳が分からなくなることがしばしばあったり(雑誌連載だからしょうがないのかもですが)、たまに描写が適当だったり、探せば粗はありますが、
息の詰まるスピーディな戦闘描写、学園ファンタジーものならではの少年少女の葛藤と成長、練り込まれた世界観設定など、粗を吹き飛ばす魅力的な作品だったと思います。
特に戦闘描写は勉強になったなあ。
 
ちなみに、本編レジェンド聖戦の中で一番印象深い場面を挙げるならば、ディックが殺勁しながら塔の階段をひたすら昇り続けるシーンです。たかだか監視カメラをかいくぐるだけのスニーキングミッションに、あれだけディックが傾倒し、あれだけじっくり描写し、あれほどの緊張感と高揚感を高めるシーンとし、しまいにゃその後のディックを象る出来事にしてしまうとは。二重三重で驚きでした。
 
あと、巻末の双葉ますみ先生の漫画もいつも通りすぎて驚きです。一コマ目で「わたし大勝利!」って、雨木先生が「あとがき先に読む人もいるからあとがきではネタバレしませんね」って感じなのに色々台無しだよ! それ含めて腹抱えましたが。
 
さて、25巻で語られる長く続いた「鋼殻のレギオス」の物語の余韻、楽しみですねー。発売は9月だそうです。わくわく。